おひとりさま

ひとり松屋
ひとりカラオケ
ひとりラーメン


ひとりで割とどこでも行くし、どこでも行けるつもりだった。
だけど、成人式は行けなかった。


いま、品女時代の友人と会うために電車に乗っているけど
電車の中で、きらびやかに着飾った成人式帰りの女の子を見るとさすがに堪えた。
そういえば成人式って人生に一度しかなかったじゃん、って。
でも、小学校卒業してからすぐに隣りの県に引っ越して、しかも東京縦断に近い距離のとこにある中高一貫通ってて、家の近所には知り合いがいなくって
成人式会場には、きっと旧友との再会に喜ぶきらびやかなハタチがいっぱいいて
その中で、無駄にきらびやかに着飾ってひとりで佇むことはどうしてもできなかった。
誰かに着飾った姿を見てほしいだとか、そういうわけじゃないし
写真なんかできれば一生撮りたくないくらい嫌いだから、親が「着物着て写真だけでも撮れば?」って言ってきたときも断ったけど
結局は自分も単なる淋しがり屋なのかもしれないな。
自分のことなど、自分が思う程には誰も気にしていないというのに
あたしも随分なプライドの持ち主のようだ。


まったく、ブスにプライドなんか似合わねえよ。